1981年に4人組のバンドグループとして結成されたソニックユースは、当時まだ音楽の表現手法として主流ではなかったノイズ（後にノイズロックと呼ばれるジャンル）を積極的に取り入れ、華々しさが目立つニューヨークの黒い側面を実験的かつ前衛的なサウンドで表現。メインストリームに真っ向から抵抗する音楽作りと反抗的な姿勢で、"アンダーグラウンドの帝王" という称号を得た。例えるなら「一見さんお断り」的な難解さのあるバンド。楽曲制作におけるアート性もコアなファンを獲得した理由と言っていいだろう。

今回発売されたTシャツは、ソニックユースのジャケ写にフォーカス。同バンドは著名な写真家や現代アーティストにアートワークを依頼することが多く、ファンの間では "音楽・ファッション・アート" を強く感じるバンドとしても知られている。例えば1992年にリリースされたアルバム「Dirty」は、マイク・ケリー氏の「捨てられたぬいぐるみ」にフォーカスした作品。一見、ポップな印象を持つが、どこか壊れていたり、汚れていたりする「ぬいぐるみ」たちはグランジロックの精神的部分を表現している。他にも同アルバムの1曲目「100％」をタイトルに写真家ケヴィン・カミンズ氏が撮影したメンバーの一人、キム・ゴードンの写真をコラージュした作品など、過去にリリースされた多くのマーチャンダイズが存在する。

〈インソニア プロジェクト〉のソニックユースTシャツは、本物の古着のような色落ちや擦れ、くたれ感を再現した風合いも魅力だ。どのTシャツを手に取っても、古着屋のラックに無数に並ぶバンドTシャツの中から「これだ！」と思うものを探していた時の高揚感を感じられる。バンドTシャツは、"音楽・ファッション・アート" をもっともストレートに体験できるファッションとして90年代頃から親しまれてきたが、〈インソニア プロジェクト〉のソニックユースTシャツはこだわりの強い音楽好き、アート好きからも一目置かれるはず。もちろん、ソニックユースのことをまったく知らずにファッションとして着てもまったく問題はない。

〈インソニア プロジェクト〉のソニックユースTシャツは、いずれも限られた数量のみ販売中。買い逃すと同じデザインは二度と手に入らない可能性が高いので、気になる方はマイサイズを早めにゲットしよう。