創業者のRemington Guest（レミントン・ゲスト）とHeather Haber（ヘザー・ハーバー）が生み出すのは、ストリートの定番的アイテムにアートやカルチャーの要素を織り交ぜた独自のスタイル。ヴィンテージウェアのエッセンスを現代的な感性でダイナミックにミックスする同ブランドは、〈Nike（ナイキ）〉や〈VANS（ヴァンズ）〉といった巨大企業も魅了。また、アパレル系ブランドだけではなく、インターネット百科事典の「Wikipedia（ウィキペディア）」ともコラボレーションを実現させ、注目を集めた。

星条旗にブランド名を載せて端をフリンジにしたマフラーや、無数の星を配置したサイケデリックなパンツのように、ストレートな表現でアメリカンブランドであることをアピールするスタイルも〈アドバイザリー ボード クリスタルズ〉の魅力。また、光沢のある素材で作られたパジャマ風のセットアップにチェスターフィールドコートを合わせるというロックスター的なLOOKにも、古き良きLAらしさを感じる。その一方で、ワードローブの鉄板的アイテムであるフーディーやスウェット、ネルシャツにオリジナルのグラフィックやタイポグラフィを載せた比較的シンプルなアイテムも多く揃う。派手さに振り切らず、誰もがカジュアルに着られるデザインもしっかり用意するところに同ブランドのバランス感覚が垣間見える。所々にDIY精神が光る刺繍を施している点も大きな魅力だ。

志を同じくするブランドや企業とのコラボレーションも交えながら独自のクリエイションを追求する〈アドバイザリー ボード クリスタルズ〉は、芸術と哲学、現代ファッションの間の架け橋のような存在になることを心掛けているのだという。シンプルに、ファッションは自分の好きな世界を表現する最適なツールだ。〈Advisory Board Crystals〉の洋服には、そんな大切なことを改めて気づかせてくれるパワーがある。