THE EDGE

TCS Buyers:上野 舞

新旧の価値観が交錯する、新しいショップの姿を目指して

毎シーズンTATRAS CONCEPT STORE(以下TCS)で展開するすべてのアイテムを、世界各国から買い付けているバイヤーとはどんな人物なのか。老舗メゾンから知る人ぞ知るカルトブランドまで、今話題のデザイナーからネクストヒットの若手注目株まで。ファッションの楽しさを知り尽くす彼らが、店頭で表現するものとは? TCSの顔とも呼べる、バイヤーたちの素顔に迫る。

Q:幼い頃からファッション好きだったんですか?

好きでした!新潟の田舎出身なので、都会のようにトレンドに触れていたわけではないのですが、洋服がとにかく大好きで。学生時代に進路を選ぶ時もファッション系がいいな、と漠然と考えていて、それからずっと秘めた想いが心にありましたね。ファッション雑誌から学んだりしつつ、あまり勉強熱心でもなかったので(笑)、お店に足を運んで自分が気に入ったもの、自分が目にして好きだと感じたものを手に取ったり。〈MILK〉や〈コム デ ギャルソン〉が流行っていた時代もあり、そういう時流にも乗りつつ、当時は割と雑食だった気がします。

Q:バイヤーへの転機はいつ頃?

アパレル系の企業に入社し、初めは販売を担当していて、よくいう“物寄り”、つまり商品のことをもっと知りたいなと段々と思うようになりました。その後一時渡英し、帰国してからは営業とPRを経てバイヤーに。やっぱりどこかでバイヤーをやりたいなという気持ちがあったのと、新しいことをやりたいという意欲がきっかけになったんだと思います。自分の中にこだわりがあるのも理由の一つですが、単純に洋服を買うことが好きだし、洋服を着ると気分が高揚するので、そういうポジティブな感覚を伝えていけたらなと。

Q:バイヤーとして経験を長く積まれていると思いますが、買い付けをする際にご自身が軸に置いていることはありますか?

一番意識していることは、シルエットが綺麗かどうかですね。身に着ける方はそれぞれですが、誰が着ても美しく見えることを念頭に置いています。トレンドは、あまりに新しすぎると取り入れづらかったり、既存のアイテムにどう加えればいいか分からなかったり、難しい側面があると思うんです。ストリートブームなど流行りの変遷はあると思いますが、全体の流れやムードがガラッと変わる、ということは過去にあまり多くなくて。だからこそ、少しずつ新しさを見つけては提案していく、そういう形がいいかなと感じています。

Q:ご自身の好みを反映させることはありますか?

回答としては、NOです。実績を考慮しつつTCSに合うもの、レディースのイメージで言うとエレガンスで品があるアイテムをピックしています。エッジーすぎると「着れない」というお声もいただくので。逆に人気があるものはすぐなくなるので、日々実感しています。店舗に置いたその日に売れることもありますし、今はフィジカルなお店よりWEBの方でサッとなくなったり。例えば〈CFCLなどは私の中でも割とチャレンジングでした。でもデザイナーさんの熱量を感じますし、色々と考え抜かれたもの作りをしているので、みなさんに手に取っていただきたくて。結果、WEBでの売れが良く、初回オーダー足りなかったな、と反省しています。

Q:新しいブランドとは、どのように出会うのですか?

今だとインスタグラムを中心にSNSで探すこともあります。ただ、同業者と情報交換したりお取引先の方から新しいブランドを紹介していただいたりというのは、昔から変わりません。最近は、DMをくださいというブランドさんも多くなりました。海外のブランドは特に、ショールームを探すのが大変なので、DMの方が案外簡単で早いですね。

Q:海外の情報は現地で仕入れることが多いですか?それとも事前に調べてから行きますか?

海外情報は調べてから行きますが、現地で情報が入ることも多々あります。そのためイレギュラーでアポイントを入れてショールームに伺うことも。ここ数年はコロナ禍で海外にあまり足を運べていないのですが、逆に海外の方が日本のマーケット用に展示会を開いてくださるので、流行りや動向をお伺いしたりもします。

Q:海外と日本の動向はやはり異なるもの?

海外からの買い付けは、今はリモートもしくは先方がサンプルを送ってくださることが多いのですが、リモートだと正直素材感やサイズ感が分かりづらく…。現地の方も着て見せてくださるのですが、骨格が違うのでアジアンフィットかどうかは判断しづらいんですよね。そういう“着た感じ”も異なりますし、私自身ヨーロッパのマーケットをすべて把握しているわけではないのですが、海外のセールスの方からよくお伺いするのは、“日本のマーケットは独特”と。でも、それは以前からなんとなく感じていて、例えば極端な話、肌見せはNGではないけどそこまで得意じゃない、とか。なので買い付けをする際は、バランスを重視しています。あまりパンチの効いた方向に偏りすぎると、ほとんどの人が手に取りづらかったりする。ここは嗅覚がすごく大事になってくるので、日々勉強しなきゃなと痛感します。

Q:プライベートについてもお伺いさせてください!ズバリ、最近ハマっていることは?

最近は都内観光にハマっていますね。今まで都内へのお出掛けはあまりしていなかったのですが、コロナ禍をきっかけに遠方に旅行する機会が減ってしまったので、都内で行ったことのなかったところに行くようになりました。清澄白河とか。仕事のため、というよりはリラックスが目的です。元々旅行が大好きで、コロナ前は平日に休みを取って直島でサイクリングしたり、と弾丸で行くこともよくありました。

Q:弾丸旅行によく行かれるということは、荷物は少ない方ですか?

そうですね!特に国内だと困らないじゃないですか。「あれも持って行こうかな」と考えるのですが、なるべく身軽に行きたいので準備もささっという感じです。通勤もバッグを持たないくらい(笑)。旅先でもアクティブに動くことが多いから、ファッションは基本的に動きやすいフーディーにレギンス、スニーカー、とスポーティなスタイルが多いです。こうしてイルカに触れたり…自然や動物とも戯れながら旅をしています(笑)。スポーツも好きなので、スノボーに行くこともしばしば。

Q:普段からスポーツは積極的にしているんですか?

今やっているのは水泳、サーフィン、スノボー、あと旅先で自転車に乗るくらい。最近はゴルフも。この前初めて打ちっぱなしに行ったんですが、面白かったです。初回にしては割と打てたので、しっかり動画を撮ってもらいました(笑)。

Q:休日もアクティブに過ごすタイプですか?

美術館に出向いたり、美味しいものを食べに行ったり。カジュアルイタリアンの「ララムリ」が最近のお気に入りで、フードもおいしくてコスパが良いです。インスタで美食家さんたちがオススメしているところに行ってみることもあります。あと、週末のステイケーションもハマっていることの一つ!頻度は少ないですが、かなりリフレッシュできるのでオススメです!プールで泳ぐのが好きだから、予約する時点でプールがあるところを選んだり、スパでジャグジーに入ったりと、自分時間を満喫しています。ただ家に篭る休日ももちろんあって、そういう時は本や漫画を読んでいます(笑)。

Q:美容で気を遣っていることは?よくヘアカラーチェンジをされているとか!

すごく手を掛けているわけではないのですが…デイリーに愛用しているのは、巷でも話題の〈IPSA(イプサ)〉の化粧水。あと自分で何かやるとなったらネイルくらいで、同じくヘアカラーも気分で変えたくなるんです。1ヶ月に1回くらいは変えていたのですが、このオレンジカラーは2ヵ月くらい続いていていつもより長め。ある程度の色はトライしたので、もういいかなとなってきていて(笑)。まぁ、すべて気分なんですけどね。だからセルフで染めることも多いです。ブリーチは美容院でやってもらうのですが、どうしても後から色落ちしちゃうので自分でカラーバターを使って入れています。

1日の約1/3を占める睡眠。その時間をとても大切にしたいので、リラックスできる香りのアイテムを揃えていて、気分によって使い分けています!〈abSalon(アブサロン)〉は、まさに香りの力で癒しの眠りを届けることがコンセプトのブランド。こちらのフレグランススプレーはウッディーな香りで、すっきりと眠りにつくことができるんです。ルームファブリックミスト〈VITAL MATERIAL(ヴァイタル マテリアル)〉の〈SUBLI(サブリ)〉は気分を変えたい時に、シュッとお部屋にひと吹き。植物由来というやさしさも魅力的ですし、フレッシュなフローラルの香りが心地良いです。〈L;A BRUKET(ラブルケット)のピローミストは、リラックス効果のあるラベンダー、マンダリンとシダーウッドのエッセンシャルオイルを配合していて、香った時の解放感がたまりません!一番右のキャンドルは頂き物なのですが、寝る前に灯して香りを楽しんでいます。どれも、インテリアとしても可愛いですよね。

〈abSalon〉ではフレグランスやハンドジェル、バームがセットになった、持ち運びサイズのプロダクトも。ギフトにもぴったりで、周りの人に魅力を広めています!

メイクはどちらかというとナチュラル派で、愛用しているのは〈Dior(ディオール)〉のリップと〈IPSA〉の美容スティック。程よい血色感を与えてくれるコーラルピンクは、今季の新作です。スティックタイプの美容液なので部分的にもアプライできますし、ひと塗りで素早く肌が潤うので重宝しています。〈BAUM(バウム)〉のローションは、香りが本当に大好きで、ここ1番という時にリラックスするために使っています!

上野 舞

TATRAS CONCEPT STORE CONTENTS PLANNER
アパレル企業に販売で入社。その後渡英。帰国してから営業、PRを経てバイヤーへ。
2018年から現職。近年は旅行に加え、海巡りや散歩、バスケ鑑賞など国内遊びに熱中。

STAFF

Photography:Toyoaki Masuda

Edit & Text:Seira Maehara