- Editor’s Pick - From TATRAS CONCEPT STORE

 

2021.03.05(Fri.) | Photography by Toyoaki Masuda Edit & Text by Shingo Sano

TCS Journalのエクスクルーシブなエディトリアルコンテンツ「THE EDGE」のエディターが、TATRAS CONCEPT STOREから気になるアイテムをピックアップ。近年のトレンドやものづくりの裏側を解説しながら、いまチェックすべきアイテムやブランドをリコメンドします。

「フミト ガンリュウ」のセットアップ

ブルゾン¥53,900、パンツ¥42,900

ワンアクションで機能が拡張する、内外両用のアルティメット・セットアップ

「フミト ガンリュウ」のデザイナーである丸龍文人さんは、コム・デ・ギャルソン社で川久保玲に才能を見出され、自身の名を冠したブランド「ガンリュウ(GANRYU)」を約8年間率いた人物。同社退社後の19年春夏シーズンに「フミト ガンリュウ」を立ち上げ、今季21年春夏コレクションは5回目のコレクションとなります。“21世紀に必要な服”をものづくりのテーマに掲げ、時代の空気感を色濃く反映させた、コンセプチュアルな服づくりを得意とする丸龍さんは、コロナ禍という特殊な状況下での製作活動となった今回、部屋着と外着の境界が曖昧なアイテムを数多く発表しました。

われわれの部屋着といえば、いつの時代もライン入りのジャージー上下が大正義。ただそれは、あくまで自宅でリラックスしているときのためのアイテムだから、買い物に行くときや、オンラインミーティングのときには、ちょっとだらしない印象を与えてしまいがち。こうして自宅にいてもバリバリ働かなくちゃいけなくなったいま、一番必要となってくるのが、部屋着と外着の要素が共存するような、リラックスできて、かつちゃんと見える、ハイブリッドなコンテンポラリーウェアなのです。そこで今回ピックアップしたのが、この「フミト ガンリュウ」のセットアップ。縦軸に「快適性」、横軸に「ファッション性」のマトリックスがあった場合、われらがライン入りジャージーを右上方向にガッツリ振り切って、さらに100倍洗練させたものがこれ。

普通のジャージーよりもエレガントで肌触りもよいボンディング素材を採用したことで、着心地の良さを十分に担保しながら、上品な質感で外着としてのファッション性も高められています。さらにトップスの両脇にあるコンシールファスナーを上げると機能が拡張し、通常のジャージーブルゾン以上の可動域と通気性を確保してくれます。部屋着としても申し分なく快適で、ファッション性も高くて、外に出ればそのままスポーツもできるという、ワンアクションで内と外のギャップに対応するデザインが実現しています。

閉じているときは表から見えないコンシールファスナーが裾から脇まで施されており、開けると可動域と通気性が大幅にアップ。

正面のファスナーヘッドには、片面ずつ「INDOOR」 「OUTDOOR」とプリントさ れた取り外し可能なアクセサ リーが付属し、コンセプトが 一目でわかる。

パンツは「フミト ガンリュウ」のシグネチャースタイルとも言えるサルエルシルエット。ヒップの両側にポケットを配置。

「ニードルズ」のトラックパンツ

パンツ各¥23,100

ベルボトムのカラフルなトラックパンツで、春コーデはアゲアゲ

上で紹介した「フミト ガンリュウ」以外にも、今季はリラックスウェアをコレクションのキーアイテムとして取り入れているブランドが目立ちます。数年前に流行した「アスレジャー」と違うのは、今回はどれもデザインがぱっと見からアゲアゲだってこと。アスレジャーのときは、黒とか白とか、全体的にベーシックかつソリッドな色味がメインだったのと、デザインもスポーティでシンプルなものがほとんどでした。しかしいま出ているデザインは、どれもカラフルだったり、ファッショナブルだったり、攻めのデザインが多いのが特徴。やっぱりこれまでの永遠とも思える自粛&自粛&自粛のスパイラルや、冬の寒さに身も心も窮屈な思いをしていた反動も相まって、この春は、思いっきり楽しい気分を味わいたい! そんな思いが、ファッションの傾向にもダイレクトに現れているようです。

ここでピックアップした「ニードルズ」のトラックパンツは、タトラスコンセプトストアの春のラインナップの中でも、ずば抜けていまの気分を体現しているアイテム。だからもうすでにかなりの品薄状態になっている模様なので、気になる色があったらお早めに。発色の良いポリエステルジャージー素材を使用しており、程よい光沢感ととろけるような履き心地は、一度体感したらもう手放せません。しかもシルエットがベルボトムだから、巷のスポーティなトラックパンツとはスタイリングしたときのこなれ感が雲泥の差。ちょっと攻めた色をチョイスして、コーディネイトのアクセントとして使うのがおすすめです。

左腿にはブランドロゴの「パピヨン」が刺繍で施され、サイドのストライプもリブ編み仕様。ぱっと見でスポーツブランドのそれとは明らかに性質の異なる、ファッション性の高さが表現されています。

バックスタイルはヒップの左側にジップポケットを配置。すべてのパーツの色を生地と合わせることで、デザインの邪魔にならずにすっきりとした印象に。

「Y-3」のフーデッドパーカ

フーデッドパーカ¥30,800

佇まいのオーラで選ぶ、現代のユニフォーム

プレッピー世代のボタンダウンシャツ、裏原世代のヴィンテージデニム、2000年代のスキニーデニム…。各世代には、それぞれのユニフォームが必ずあります。じゃあ2020年代のユニフォームってなんだろうと考えたときに、まず思い浮かぶのが、オーバーサイズのフーデッドパーカ。ストリートやミュージックシーンはもちろんのこと、ファストファッションからビッグメゾンのランウェイにまで、もはやフーデッドパーカは、いまの時代に世界中で一番着られているアイテムかもしれません。

そんな超スタンダードなアイテムだからこそ、ほかとは違う特別な一着を選びたいもの。なぜならオーバーサイズって、ただデカいだけでは野暮ったく見えてしまうから、ちゃんと立体的にシルエットが構築されていることがかなり重要。それはトップスもボトムスも同じで、メリハリのあるシルエットを選んでいるだけでも、表面的なデザインがシンプルでもだいぶスタイリッシュな印象に仕上がるのです。だからシルエットの魔術師とも言える、山本耀司の美意識が注ぎ込まれた「Y-3」のフーデッドパーカは、佇まいのオーラが全然違います。リモートのオンラインミーティングの場で、クリエーターやエグゼクティブがここのアイテムを着用していることをよく目にしますが、それはカジュアルなフーデッドパーカでも、上品で洗練された印象に見えるから。モダンなビジネスパーソンのアクティブウェアには、ただのスポーティとは一線を画す、モードのエレガンスが必要不可欠です。

フロントのデザインはどこまでもミニマルですが、身幅や袖幅、フードの深さなど、シルエットのバランスはさすがの一言。目の詰まったコットン素材で強度も高く、繰り返し着用してもへたりづらいのも特徴。

左肩から裾にかけて、シグネチャーの「スリーストライプ」を搭載。全体的にミニマルなデザインですが、こういうワンポイントのあしらいにセンスが光ります。

Y-3

Y-3|M 3 STP TERRY HOODIE

¥30,800