肩書きは「レコード曲げ屋」!?

紆余曲折を経て唯一無二の存在へ

“Strange Stretch Records”を主催するトムさんの印象を一言で言えば“自然体”に尽きる。
作っているモノはアーティスティックなプロダクトではあるが、本人にその気は全くない。
元ドラマーで、趣味が高じて雑貨屋(骨董品屋?)をやって、今に至る。
音楽が好きで、古いモノが好きで、雑貨が好き。
つまり現在に至るまでの様々な過程があって、レコードをアップサイクルするという境地に至っているのだ。
好きな事を、楽しい事をやっているだけ。
思わず「クスッ」と笑ってしまうようなモノがあるのも、そんなトムさんだからこそなのです。

ビビッと来たのですぐさま突撃!

なんとなーくインスタグラムを見ていた時の事。
友人のポストに写っていたある人物に目が留まり、紹介欄を見ると「レコード曲げ屋のトムツジモト」と書いてあるじゃありませんか!
「は? レコード曲げ屋? は?」と気になり、その方のアカウントを見てみると、その名の通り御役御免のレコードを曲げて
照明やインテリア雑貨を中心に色んなモノを作っていました。
「やば! この人!」と思った私は、ちょうどトムさんが有楽町阪急さんでポップアップをやられている事を知り、
友人に紹介を頼むより先に見に行ってみたのです。
実物を見てさらに「こんなアイデアがあったのか!」と感銘を受け、そこにいらしたトムさんに話しかけたのです。
その場で「ぜひウチでもポップアップやらせてください!」とお願いし、その場で快諾!
いや〜、言ってみるもんですね(笑)。

という事で、後日関西方面への出張の際に大阪にあるアトリエにもお邪魔させて頂きました。
そこはそこでとっても魅力的な空間だったので、トムさんの人柄含めてここにご紹介させて頂きます。

 
 

レコード曲げ屋誕生!

北原:早速ですが、曲げはじめたのはいつからですか?

トム:11年ほど前になります。

北原:そんなにやってるんですね! キッカケは何だったんですか?

トム:ずっとバンドをやってたんですね。で、あるあるなんですけど(笑)、バンドをやりながら出来る仕事を色々やって来ました。最終的にはケッタイなモノばかり扱う雑貨屋を始めるんですけど、全然売れなくて(笑)。ただそんな中で、自分と同じ古物商の方々とお会いする機会が多くあって、レコードを引き取っても売れなくて困ってるという話があって。

北原:リサイクル屋さんでもなかなか売れないと。

トム:そうです。それで自分で引き取って、何か出来ないかな、と模索してたんです。レコードって塩化ビニールなので、これって熱を加えたら加工出来るよな?と思い付いて。

北原:そこからただ古いモノを売るだけではなく、“作る”というフェーズに入ったわけですね。

トム:はい。で、電子レンジに入れてみたり(笑)。

北原:もうその発想がヤバい(笑)。

トム:部分的に曲げたりしたかったので、結局今のヒートガンを使うというやり方に行き着いたのですが、そこからはもう片手間では出来ないな、と思って雑貨屋もやめました。

北原:“レコード曲げ屋”の誕生ですね! ところで“曲げる”ということにフォーカスした理由ってあるんですか?

トム:あまり人には言いませんが、実は僕、曲線フェチなんです(笑)。

北原:なるほど!! それを聞いて色々と腑に落ちました(笑)。フェチだからこそ、トムさん製作の壁掛け時計なんかに見られるグニャ〜っとしたラインが目に焼き付いたりしたんだと思います。フェチでしか出せないラインってことで(笑)。

ドラマーだからこその感性

北原:トムさんのプロダクトはあくまで日常生活で必要なモノが中心になっている気がしますが、いかがですか?

トム:そうですね。大前提として“人に喜んでもらえるモノ”というのがあります。さらに、プロダクトのベースとなっているレコードって、元々捨てられるモノじゃないですか? それを捨てないで喜んで使ってもらうには、生活の中に溶け込むようなモノである必要があると思うんです。

北原:おっしゃる通りですね。今でこそアップサイクルだったりソーシャル・グッドが注目されていますが、その遥か以前から自然体でそういった意識を持って行動に移していたんですね。

トム:そういうモノを作って世の中に戻す、そんなイメージです。

北原:ところで、バンドをやっていた事による影響ってあるんですか? もちろん音楽好きだからこそレコードに着目したというのは前提として。

トム:だいたいバンド始める人間って、ギターとか行くじゃないですか?

北原:花形ですからね(笑)。

トム:だからドラマーって少なくて。だから色んなところに呼ばれては叩くという。それが好きだったというのもありますけどね。

北原:ドラマーあるあるですね(笑)。職人みたいなポジションですもんね。

トム:つまり僕はフロントマン気質ではないんです。だから「こんな音楽が作りたい」とかもそんなになかったんです。今のレコード曲げ屋にも通じるところがあるんですけど。ゼロから1にするタイプではない。でも1を2とか3にするのは好きなんです。

北原:あ〜なるほど。そっちが向いてたんですね。

トム:レコードも既に完成しているモノですよね? 既に本来の役目を果たし終わっているモノ。その1をどうやって価値あるモノにしていくか、という感じです。ドラマーだったからそうなのか、元々そういう性格だからドラマーだったのかは分かりませんが(笑)。

北原:職人気質である事は間違いないかと!

メインアイテムは照明、ウォールクロック、ティッシュケースなど“日用雑貨”が中心ですが、レコード盤だけでなくレコードジャケットを使用したオブジェ、蝶ネクタイ!? などなど、アート性の高いモノからウィットに富んだモノまで色々取り揃えております。
さらにお客様ご自身のお気に入りレコードを持ち込んでオーダーなども可能。
土日はトムさんご自身が店頭にいらっしゃいますので、気になる方は是非ご来店頂き、トムさんワールドに触れて頂ければと思います!

BRAND PROFILE

オフィシャルサイト:http://www.strangestretchrecords.com

@record_mageya

POP UP INFORMATION

STAFF CREDIT

Edit & Text by TETSUO KITAHARA