これぞ東京ストリートの真髄!

アメリカンオーセンティックがモダンに昇華された珠玉のコレクション

1863年にイギリス人の織工であるトーマス・ケイがオレゴン州に移り住み、毛織物工場を監督、その後CEOに。

 1889年に独立し、自身の毛織物工場を設立しました。

 その後1909年にトーマスの娘婿であるC.P.ビショップの3人の息子たちによってオレゴン州ペンドルトンの工場が操業を開始。

 ネイティブアメリカン向けの毛布や衣類を製造し、これが大ヒット。

 アメリカを代表するウールブランド“PENDLETON”の誕生です。

 その後100年以上の長きに渡り世界中で愛されているのは、品質の良さは勿論そのアイデンティティによるところが大きいと言えます。

そんな唯一無二のアイデンティティを東京ならではの感性で再解釈し、昇華させたのが今回ご紹介する“PENDLETON P/”なのです。

ープロジェクトリーダーはDELUXEのHUE氏ー

東京ストリートシーンにおけるキーマンのひとりであるHUEさん。

 ご自身のDELUXEブランドでも10年以上に渡りPENDLETONとコラボレーションをリリースし続けています。

 つまりHUEさん(DELUXE)のストーリーの延長線上に今回のPENDLETON P/というプロジェクトがある、と。

 突拍子もないコラボで一時的な話題性を作るのとは大違いである事は明白ですね!

 そんなHUEさんに、今回のプロジェクトについてお話を伺いました。

北原:まずは2003年スタートのDELUXEブランドについておさらいをさせて頂きたいと思いますが、ブランドネームの由来は?

HUE:人それぞれ自分自身の「デラックス」という価値観があると思うんです。それがラグジュアリーブランドの人もいれば、ライブ会場で貰った非売品のピンバッジという人もいる。僕が作った服が誰かのデラックスになってくれれば嬉しいな、と思っています。それと、僕のバックグラウンドのひとつにスケートボードがあるのですが、サンフランシスコのスケートブランドであるDLXSF(デラックス・サンフランシスコ)が好きだったりというのもあって、様々な想いが込められています。

北原:実にHUEさんらしいですね。スケートカルチャーの影響が大きいですか?

HUE:20代の頃、3年ちょっといたNYから帰って来てDELUXEを始めたので、スケートを含めたアメリカのリアルなストリートカルチャーの影響が大きいです。

北原:僕も含めてアメリカのカルチャーに影響を受けた世代ですもんね!


HUE:とは言え実際のNYは子供の頃から映画なんかでインプットされて来たアメリカのイメージとは大違いで、渡米してすぐに打ちのめされました(笑)。中でも衝撃的だったのがヒップホップカルチャーです。それこそ価値観がひっくり返りました。

北原:僕は西海岸カルチャーの影響を多大に受けて来ましたが、HUEさんはやっぱり東海岸の影響の方が強いですか?

HUE:ご存知の通りNYは移民の街ですよね? とにかく人種から何から雑多で、それが面白くて刺激的でした。

北原:そこで様々な要素をリミックスする感覚が自然と身に付いたんでしょうね。

HUE:そうかもしれません。

北原:ところで、昨今のストリートシーンではイージーなロゴものなどが主流の中、DELUXEは悪目立ちせず、トレンドの空気感も取り入れながらあくまで上品さを重視して来たように感じますがいかがですか?

HUE:実は僕、ミーハーな人間なんですけど(笑)、それが嫌だった時期もありました。でも今となっては、モードも好きですし、もちろんストリートも通ってますし、そういったエッジーな感覚をミックスするのが自分らしいのかな、と思うようになりました。

北原:スケートカルチャーも含めて、全てDELUXEというフィルターを通して表現されているんですね。ブランドを始めて18年目ですが、ご自身としてはどのような変化を感じますか?

HUE:アメカジ色が強かった時期もありますし、トラッドやアイビー色が強かった頃はブランドネームに“Street Tailor”と入れていた時期もあります。そこからヘリテージや50’sなど様々な時代感を経て、この数年は特定の時代やカルチャーと言うよりも、一言で言えば“ジェンダーレス”。素材、フィット、デザイン全てにおいてそんな意識があります。

北原:とは言え、フェミニンとかそういう話ではないですもんね。

HUE:その通りで、自分の中での変わらない価値観としてとしてルードさ、セクシーさ、都会的(モダン)、リミックス、この4つが軸にあっての“ジェンダーレス”です。

北原:軸がブレていないのは見ていてそう感じます。いつの時代も必ずDELUXEらしさがある。

HUE:NYでも、スーツなのに足元がスニーカーでビーニーかぶっているような人がヌケ感があってカッコ良かった。凄く都会的だなと当時思いました。

北原:ハズす感覚ですね。

HUE:そうです。DELUXEらしさにはそういった感覚も含まれているのかもしれません。

北原:NY滞在中に、特に印象的だった物事は何ですか?

HUE:いくつかありますが、ストリートシーンのパーティなんかは印象的ですね。昼間一緒にスケートやったり遊んでた奴らが、一度帰宅してまた集まるとTシャツから襟付きのシャツに着替えてきてたりするんです。ストリートキッズならではのドレスコードみたいなのがあって、それがオシャレで。

北原:そんなストリートの感性に対し、HUEさんにとってのアメリカンヘリテージとはどのような存在ですか?

HUE:ポートランドにあるペンドルトンのヘッドクオーターに伺った事があるのですが、一言で言えばコンサバティブですよね。もちろん悪い印象は全くありませんが、保守的。

北原:だから100年以上続いているんでしょうね。

HUE:そうだと思います。ポートランドには他にもナイキを始め世界的なブランドがいくつかありますよね。

北原:レッドウィング、コロンビア、ラングリッツレザース、ウエスコ、いっぱいありますね。

HUE:そうそう。なんか不思議な街でした。ヘリテージってなんだろう?って考えちゃったり(笑)。でもタフなアメリカって感じは好きですね。

北原:我々そういう世代ですよね(笑)。そこは一生変わる事はないと思います。

ー膨大なアーカイブから象徴的な柄を吟味ー

ネイティブアメリカン向けに開発された膨大な種類のパターン(柄)こそPENDLETONの真骨頂。

 そして鮮やかなカラーパレットが特徴的な本家に対し、モノトーンでまとめられたPENDLETON P/。

 ヘリテージをモダンに解釈し、新しい価値を創造するアプローチは、一朝一夕で出来る事ではありません。

 HUEさんならではの長年に渡る東京ストリートカルチャーでの経験があればこそ。

北原:最初にDELUXEでPENDLETONとコラボレーションしたのはいつですか?

HUE:2009年です。

北原:10年以上!? それを経てこのPENDLETON P/というブランドの開発に繋がって行くのですね。納得です。

HUE:2018年AWにリリースしたこのコートが、PENDLETON P/のプロトタイプになっていると思います。

北原:これ今見てもメチャクチャ良いですよね〜。全く古さも感じさせないし、こういうのが一生物になるんだと思います。

HUE:ヘリテージブランドならではですよね。

北原:おっしゃる通り。

HUE:生地を作って、柄も組ませてもらって。あくまで都会でも着やすいようにグレートーンにしました。今でも着てますよ!

北原:そうなんですね! HUEさんにとってもお気に入りの1着という事ですね。

ーPENDLETON P/の目指すところは?ー

シーズン毎に発表し、一瞬で過去のモノになって行くのがファッショントレンドの性。
100年以上続く伝統と歴史を持つPENDLETONは、当然ながらそこからは遠い立ち位置に存在する。
世界中を見渡しても、本物だけが成せる技だ。

その重みを、HUEさんはどのように考えているのだろうか?

 

北原:今回新たにPENDLETON P/をブランディングするにあたり、これまでのコラボレーション軸でのアプローチとの差別化は?

HUE:やりたい事を全て詰め込んだって事でしょうか(笑)。

北原:最高じゃないですか(笑)。

HUE:あとは元々PENDLETONというブランドが大好きでしたが、この歳になると派手な色柄は少し恥ずかしいじゃないですか?


北原:よーく分かります。

HUE:なので、さっきのコート同様に、あくまでモダンに、街で着やすいように全てモノトーンにしています。

北原:素材にも相当こだわっていますよね?

HUE:もちろんPENDLETONらしい“ウール”も外せない素材ではありますが、今の時代ならではの機能性であったり着心地であったりを意識して取り入れています。

北原:ウールの印象が強いPENDELETONに対して、この合繊(ダウンジャケット)が斬新です。柄の組み方もイケてます。

HUE:メインとなるハーディング柄をデフォルメしたり、アイテムに合わせて全てグラフィックで柄を組んでいます。あと米軍のカモフラージュ柄で、さり気なく“U.S.ARMY”ってロゴが組み込まれてたりするじゃないですか? 昔からあれカッコいいなって思ってて、同じイメージでPENDLETON HARDING PATTERNと入れています。

北原:こういうちょっとした事が刺さります(笑)。

PENDLETONを代表する柄と言えば、こちらのハーディング・パターン。

 第29代アメリカ合衆国大統領であるウォレン・ハーディングが1923年にオレゴン州を訪れた際に、地元の酋長から大統領夫人に贈られたショールに描かれた柄が後に“ハーディング柄”として広まったもの。

 

北原:今後の展開はどのようにお考えですか?

HUE:やっぱり歴史と伝統があるブランドですし、若い頃から身に着けていたブランドでもありますし、自分の中でも大事な存在です。アイデアもたくさんあるし、柄も無限にあるので、可能な限り続けて行きたいと思っています。

北原:PENDLETON P/は僕も個人的にとても感銘を受けたシリーズなので、心から応援しています。本日はありがとうございました!

 

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Text by TETSUO KITAHARA

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